トップページ > 稲美町の歴史・文化 > 郷土食「ゆで干し大根」の歴史を考える

郷土食「ゆで干し大根」の歴史を考える

紹介サイトへのリンク

ゆで干し大根」は稲美町母里地区の草谷に伝わる郷土食として有名です。
強い冬の日射しと寒の風にさらされ干しあがった大根は旨みが凝縮され、生大根とはまた一味違った深い味わいがあります。

農家の軒先に並べられた竹すに干される大根の目にまぶしいほどの白さは、この地域の冬の風物詩の一つです。

だた、最近生産者の高齢化に伴い、作る人が減り、その将来が懸念されています。

町内の小学校でも年に一度は給食に登場し、子供達にゆで干し大根の作り方を体験学習を通して教えている小学校もあります。

さて、この「ゆで干し大根」はどこから伝わってきたのでしょうか?
明治時代から作られるようになったということですが、知る人はほとんどいません。
稲美町の特産と思っている人も多いようですが、実は九州の薩摩地の方から伝わったのではないかと推測します。
九州の鹿児島、熊本、福岡にも郷土の食としての「ゆで干し」が伝わっているからです。

その昔、時代は明治に廃藩置県で九州からたくさんの役人がやって来ました。
何しろ兵庫の初代知事は森岡県令といって元薩摩藩士であったことでも有名です。
母里村の歴史が書かれた「母里村難恢復史略【北条直正著】にも当時のことが色々と記されています。
いなみ野の農民達は薩摩からあがってきた役人達によって厳しい税の取り立てを受けるわけですが、その役人達が貧しい農民達に薩摩に伝わる美味しい食「ゆで干し」の作り方を伝授したのではないでしょうか。

ゆで干しについて研究していると母里村の歴史にぶつかった。

凍みだいこん
新聞記事

編集  大路敬子